三浦俊彦  論理サバイバル

 先日紹介した論理パラドクスの姉妹本。
 先のパラドクスが名前の通り逆説や矛盾を孕むトピックを中心に扱ったのに対し、こちらは無限と空間、論証や合理性、確率などに言及する。

 まだ最後まで読んでいないが、前作のほうが興味深く、スマートな内容だったように感じる。
 自分がパラドックスのような循環する論理を好む傾向にあることと、概念だけで議論するのにいささか想像力を要するトピック(無限、宗教、哲学など)は想像力の問題なのかあまりすんなりと受け入れられない点に原因を感じる。
 へそ曲がりゆえ、ロジックで明確に示されない部分には限りなく懐疑的なのです。

 そして、あらゆることに論理を適用しようとするスタイルは「全てに論理が適用できる」ことの証明が得られていない以上危ういのではないかと半分ぐらい読んで思った。
 もちろん、「できない」という証明が得られていない以上どちらの確証ももてないわけですが、すくなくとも現在論理だけでスマートに解き明かせない箇所が残っている以上、論理の適用可能範囲を論ずるような議論があっても面白いかなと。

 ・・・まあ、自分がそう思ったもののうち大概のものは既になされていたりしますが。
(さすがに、古代ギリシャからこちら、無数の暇人が考え続けているだけの事はあります)