D.Q.マキナニー 論理ノート

何となく論理学っぽい本が読みたかった。
論理の基本原理を解説した一冊らしいが、どちらかというと論理学への入門というより、日常的な議論においていかに論理を活用するかに重点を置いている感じ。
 
だからなのか、

「AまたはB」とは AかBのうち、"どちらか一方が"真である という意味。
つまり AまたはB とは
  AならばnotB、BならばnotA、notAならばB、notBならばA と等価である。

みたいな違和感を覚える記述がいくつか見つかった。
(和訳の問題かもしれないが、さすがに論理の本で論理和排他的論理和を誤訳する事はないだろう、と思う。希望的観測なのかもしれないけどね。)
 
他にも「何故非論理的な思考に陥るのか」という章で懐疑論者や不可知論者を批判しているんだけれど、その内容がいまいち論理性に欠けていたり。
 
全体を通して、とことん厳密に定義するんじゃなく、ある程度は「そういうもんだ」という天下りを許しながら語られているので、しつこく何でも細かく検討したい人には物足りないかも。
逆に細かいことは抜きにして、所謂「論理的な推論」ってのがどんなものなのか知りたいとか言う人にはちょうどいいかと思う。
 
ちなみに今気づいたけど原題は
「Being Logial -A Guide to Good Thinking-」で、
こっちを見ると確かにそんな感じだなと納得できる。