MelitaとKono その2

こんどはさらにマニアックに比較。
どんどん理系くさくなってるけど気にしたら負け。
 
まず、ドリッパーの形状から比べてみる。
今回使用したのはMelita アロマフィルター1x1。
アロマフィルターは、下の写真みたいに抽出穴が底よりやや上に付いている。

これは底にたまるイヤンな味をカップに落とさないためだとか。
穴の大きさはコーノと比べるとずっと小さい。

でもコーノはここに円錐状のペーパーが入り、その先端からしか抽出はされないので
この穴からドバドバコーヒーが出るわけではないため注意。
 
またドリッパーの溝はコーノの場合途中までだが、Melitaの場合は一番上まで続いている。
この溝はペーパーとドリッパーの間に隙間を設ける目的で付いていて、隙間がある方がお湯は通りやすくなる。(ペーパーが密着している場合よりも湯の通り道が広い)
穴の大きさは コーノ>Melita。
溝の長さは Melita>コーノ。
果たして抽出速度はどちらが速いのか?
で、実際に比べみると、コーノの方が若干遅い。
(メリタは穴からスーッと流れるのに対し、コーノは紙の先端からポタポタと滴が落ちる)
今まで、漠然とメリタの方が遅いというイメージを抱いていたのでちょっと意外。
 
で、コレが何を意味するかというと・・・
抽出速度が遅ければ遅いほど、豆が湯に浸る時間も長くなる。
豆が湯に浸る時間が長ければ、当然より多くの成分が湯に溶け出す。
つまり、苦みも雑味もより強いコーヒーになるわけだ。
ここら辺でまず差が出るのではないかという気がする。
 
つづいて、抽出後の豆の状態を見てみる。
Melitaは中央が極端に陥没。

コーノは中心に泡を残しつつ、緩やかな凹みを作っている。

コーノの泡が残っている範囲は、抽出時にお湯を注いだ範囲。
Melitaの極端な凹みは、ドリッパーの底の平たい部分とほぼ一致している。
周辺に出来た壁はMelitaの方が厚く、底の部分はコーノの方が厚い。
ドリッパーの中での湯の流れには詳しくないのでこの辺は曖昧だが、
お湯が残り少なくなると、メリタは抽出液がより薄くなるのではないかという気がする。
(水面より上によりたくさんの豆が残るから)
 
Melitaの極端な陥没は抽出法が主な原因に思える。
Melitaは一気にお湯を注ぐため、豆がお湯の中に浮く感じになる。
そして湯がドリッパーからサーバーに落ちて行くに従いペーパーの縁に付着していく。
先ほどの溝から考えて、Melitaはサイドから結構な量が流れると思われるので、サイドにもそれなりの厚さで豆が残っていく。これが厚い壁となり、底へ溜まる豆の量を減らすのではないかと。
(・・・文章で書いてもわかりにくいので、気になる人は自分で試してみてください。
 あるいはウチにこれる人なら言ってくれれば実演します。いないだろうけどw)
 
ちなみに泡は嫌な味の原因になるので、ドリッパーの中に残して抽出液には落とさない方が良い。Melitaの泡は何処へ消えたのかが気になるところだが、その検証はまた別の機会に。
 
また抽出方法を考えると、コーノは断続的に湯を注ぐため、抽出開始から終了までドリッパー内の濃度がほぼ一定なのに対し、Melitaは最初にすべての湯を注ぐので抽出が進むにつれドリッパー内の濃度が上がるのではないかと思われる。
これだけ見ると後半の抽出液はMelitaの方が濃そうに感じるが、ドリッパー内の濃度が上がれば成分は溶け出しにくくなるはずなので実際にどのぐらい差が出るのかは不明。
これも検証するにはもう少し詳しく比べる必要がありそう。
 
これら総合するとやっぱり、コーノの方が濃く出る構造のような感じ。
抽出速度とか、結果が当初の印象と逆だったから驚き。
こういうのがあるからコーヒーはやめられない。(まるで化学実験)
 
そして次は、よく「メリタはカリタより濃く出る」とか言うけど、じゃあカリタはどれだけ薄いんだ?という疑問が生まれてくる。
カリタの3つ穴ドリッパーは持っていないのですぐには試せないけど、気になるから勝ってみようかな・・・どうせン百円程度だし。
 
ますます深みにはまっていきそうな予感。これぞ趣味の世界。