実相寺監督

先日お亡くなりになったそうな。
知らん人全然知らんと思うけど、映画・テレビ監督。
円谷プロウルトラシリーズの監督してた方です。
マトモに意識し始めたのはここ2,3年で、ぶっちゃけ全然詳しくないのだけれど、ウルトラシリーズに関して言えば氏の監督作品はどれも好きだったのでちょっぴりショック。
 
分かる人もわかんない人もいると思うけど列挙すると

ウルトラマン

真珠貝防衛指令

怪獣ガマクジラが真珠を狙う話。氏はガマクジラで爬虫類的なグロテスクさを追求したかったらしいが、意に反して愛くるしいガマクジラが見物。

恐怖の宇宙線

宇宙線を浴びて子供の落書きが怪獣ガヴァドンに。でもガヴァドンは寝てばかりでどこかコメディー。「ガヴァドンを殺さないで!」という子供の願いを受けたウルトラマンは、ガヴァドンをお星様にしました。
最後に流れる怪獣の涙のような流れ星が印象的。

地上破壊工作

地底人が怪獣テレスドンを率いて地上侵略をたくらむ。長年の暗黒生活で眼球が退化した地底人は初めて見たときショックだった。暗闇での撮影とかこの辺から実相寺監督ぽい雰囲気がでてきるイメージ。

故郷は地球

宇宙開発競争の犠牲となり地球に帰れなくなった宇宙飛行士・ジャミラの話。故郷は地球でありながら、怪獣となってしか戻ることになったジャミラが悲しい。眼球の光(豆電球)が消えてしまうトラブルが秀逸な演出。ウルトラマンの中では一番シリアスで悲しい話。見るたびにぞっとします。

空の贈り物

とっても重い怪獣、スカイドンが空から振ってくる話。コメディーでとっても爽快な話。

怪獣墓場

人気怪獣シーボーズの回。監督の著作によれば、「おうちに帰りたくてダダこねるシーボーズウルトラマンのオジサンが連れて帰る。そんな感じの話。」 これまたシーボーズは幽鬼的な怖さを追求するべく骸骨デザインだったらしいが、結果はご存知の通り シーボーズカワユス。
 
ジャミラ以外は全体的に爽快で楽しい話が多かったのがウルトラマンシリーズ。
それ以降の作品と比べるとだいぶ異色に思える。
 

ウルトラセブン

狙われた街

ちゃぶ台はさんでダンとメトロン星人が語り合うシーンが有名な話。でもそれ以外のシーンも秀逸で、最後のナレーションにはゾッとさせられた。
ちなみに続編(?)としてウルトラマンマックス「狙われない街」が去年ごろに放映されたのだが、放映時間が土曜の朝だったためにあまり詳細を覚えていない・・・不覚。

遊星より愛を込めて

セブン永久欠番の13話。放送禁止になったせいでそっちの話題ばかりのぼりがちの作品。出来は・・・まぁまぁ。ちなみに作品自体は発禁になるような内容じゃないのであしからず。

第四惑星の悪夢

セブンの中では一番好きな回。全てが機械化され、ロボットに人間が支配される第四惑星の話。ラストシーンは目にしみるような緑。今そのロケ地はコンクリで固められている点が皮肉。まるで第四惑星。

円盤が来た

第四惑星に続いて好きな回。ぱっとしない青年が唯一の趣味・天体観測で円盤群を発見する話。でも彼の話を誰も信じてくれなくて、彼は円盤の主・ペロリンガ星人に宇宙へ連れて行ってくれと願う。ふすまの向こうは宇宙空間。どこか他人事に思えないところが印象的な回。
 
マンに比べてシリアスな話が多いセブン。そんな中で氏の監督作品はカメラアングルとか演出方法とかがキラーパスというかナックルボールというか、独特でよく生きていた。実験的な演出も多かったように感じるけど、でもセブンの実相寺作品はどれも大好き。
 
 
ちなみに現在怪奇大作戦を開拓中。
こいつはセブン以上にハードでシャープ。とても小学生の時に見てたら楽しめなかった。
気が向いたらそのうち何か書くかも。
 
 
最後に改めて、実相寺昭雄監督のご冥福をお祈り致します。