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豆の音を聴け-2-

目が覚めたら7時半だった。
風呂を沸かして入浴。
今日一日にすべきことを考える。
洗濯、タイヤの交換、原稿の執筆・・・。
胃が重い。
漠然とした不安が胃に重い綿を詰めたみたくのしかかってくる。
目の前に明示されたプレッシャーはないのに、とても苦しい。
どこかで、何かが僕をねらっているみたいだ。
 
豆を焼こう。
今日はブラジル・クルゼイロ
気分のせいかハンドピックは軽め。欠点豆はほとんどでなかった。
いつもの火力で焙煎を始める。
6分あたりで焼きムラが気になり始めたので少し火を弱める。
10分経過。1ハゼが来ない。少し長めの焙煎になりそうだ。
15分経過。まだハゼが来ない。火を少し強くする。
16分経過。
17分経過。
18分経過してもハゼがない。
いつものパチパチという豆の音がない。不安になった。
18分30秒。ようやく少しだけ音が聞こえる。
19分。19分30秒。散発的に1ハゼがおきる。
いつもより音が少ないけれど、もう気にしないことにした。
20分経過。
21分経過。今度は2ハゼが来ない。
22分経過。既に焼き色は十分すぎるほど。
仕方なく、23分で2ハゼを待たずに豆をおろした。
 
豆は焼けたと言うより焦げたと言った風の出来だった。
僕はとても悲しくなった。
いつも通りなのに、何が悪かったのかわからない。
まるで最近の自分みたいだ。
そういう時期なのかもしれない。
 
コーヒーも淹れてみた。
焙煎が深く、苦い。
不味くはないが美味くもない。
何の価値もなく、世界から放置されたみたいな気分になって、僕は泣きそうになった。