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伝えにくいこと

もし、ぼくらのことばがウイスキーだったなら.
ぼくはグラスを差し出し,あなたはそれを飲む.
とても簡単で、とても確実だ.

   ーー村上春樹 もし、ぼくらの言葉がウイスキーだったなら

研究会の原稿を書こうと思いつつ筆が進まない最大の理由は一貫した主張が無いから.

しかしそれとは別に主張を適切に表現できないという問題もある.
こっちはいつも付いて回る問題で,それだけに気になることも多い.
残念ながら言葉はウイスキーではないから、ただ注いでのむわけにはいかない.

いろいろ書いていて,うまく伝達できない典型的なパターンがいくつか見えてきた.

どれにも共通するのは,「ロジックが一直線でない」ということ.

例を挙げるとこんな感じ.

問題Xがある.
その解決法Aはこんなアプローチで解決を試みる.
しかしAには欠点Cがある. その欠点Cとは...
一方で解決法Bというコレコレ云々なアプローチもある.
だがBの欠点としてはDがある.Dは...
よってCとDより問題Yが考えられるため,これを解決する方法を考える.

イマイチうまく伝えられていない感じもするが、話の流れの中に別の小さな話が並列して展開されると途端に問題が整理しにくくなるということ.
図示すると

    解決法A → 欠点C
問題X→          →問題Y
    解決法B → 欠点D

本来は X → Y がメインの流れなのに,うっかりすると A→Cと B→Dに頭が行ってしまい,結局何が言いたいのかがうやむやになってしまったりする.
特にA→CとかB→Dの話が長ければ長いほど危険性が増す.
読者には常に X→Yの流れを意識させつつ,A→CやB→Dの

さらに上みたいな対称構造ならまだいいけど,間に余計なものが挟まって

    解決法A → 欠点C → 解決法E → 欠点 F
問題X→                       →問題Y
    解決法B → 欠点D

とかになるともっと困る.

文章に限らず,スライドを作る上でも同じことが言える.
流れをすっきりさせるために,可能な限り A→C とか B→D とか A→C→E→F みたいな部分的なストーリーは一枚のスライドにまとめたい.(ケースバイケースだし,この考えが正しいという保証は無いのだけれど)
だが,一枚のスライドに載せられる情報は有限で、そうそううまくはいかない。



多くの人にとってはいまさらな話なんだろうけど,文章化して整理したら何か見えるかなと思ったので書いてみた.(言い訳)