第4話 不正複製防止機能

ADSLも無事開通し、知らない友人から変なゲームをもらう日々が続く。

いつのまにか俺→みく→棋道部 という流れが確立され、俺はさまざまなブツを横流しするようになっていた。

そしてもちろん、流れは一方通行ではない。世の中はギブアンドテイクなのだ。
みく→俺 という流れも当然存在した。
が、その形態は逆方向のそれと若干異なる。

時は、反デジタルコピー全盛期。某音楽会社が規格外の音楽メディアを輩出するなど、一般社会にもその一端が見え隠れしているわけだが、「その業界」はそれとは比べ物にならないほど激しい戦いが展開されていた。

言うまでもなく、PCなんてさっぱりのみくにそんな戦場を渡り歩く力はない。
言うまでもなく、PCなどにどっぷりの俺がそんな戦場を渡り歩くことになる。

みくが円盤を持ってくる → 俺が必要枚数(+1)をコピー → みくが円盤代と交換
なんだか危ない取引みたいだが、実際危ない取引だ。
一応弁解しておくと、コピーガードを解除するのは違法だが、俺はそんなことしていない。
コピーガードごと、コピーするのだ。
コピーガードも妙な形態ではあるがデータには変わりない。
データなら、コピーできなくもない。
いい時代である。

そんなこんなで、俺はおまわりさんにはとても顔向けできない高校生になる。